スパイウェアが心配なときの確認方法|Windows 11で安全にスキャンする手順
「最近パソコンの動きがおかしい」「広告が急に増えた」「自分が操作していないのにブラウザが開く」。このような変化があると、スパイウェアに感染したのではないかと不安になります。
スパイウェアとは、利用者に気付かれにくい形でパソコンの情報を集めたり、操作状況を監視したりする悪意のあるソフトウェアの総称です。ただし、パソコンが遅い、広告が出るといった症状だけでスパイウェアと断定することはできません。Windowsの更新、ブラウザの拡張機能、常駐アプリ、ストレージ不足などでも似た症状は起こります。
私自身も、パソコンの動作が急に重くなり「何か入ってしまったのでは」と焦って、よく分からない無料の検査ソフトを探したことがあります。しかし、不安なときほど新しいソフトをむやみに追加するのは避けたほうが安全です。Windows 11には標準でWindows セキュリティが用意されているため、まずは標準機能から確認できます。
この記事では、パソコン超初心者でも迷いにくいように、スパイウェアが疑われるときの安全な確認順序、Windows 11でのスキャン方法、結果の見方、再起動後の確認、予防方法まで順番に説明します。
- スパイウェアを疑う前に知っておきたいこと
- こんな症状があるときは確認してみる
- 最初に行う安全な対処
- Windows 11でスパイウェアをスキャンする基本手順
- クイックスキャンで不安が残るときはスキャン方法を変更する
- ショートカットキーで素早く確認する方法
- スキャン前にセキュリティ更新を確認する
- スキャン結果はどう確認する?
- 再起動したあとの確認ポイント
- ブラウザの広告が多い場合は拡張機能も確認する
- 覚えのないアプリを確認する
- やってはいけない対処
- スキャンで何も出ないのに症状が続く場合
- 感染が疑われる場合のパスワード変更
- 日常でできるスパイウェア予防
- スキャンを定期的に行うと何が便利になる?
- 応用編:Windows セキュリティの状態を普段から確認する
- よくある質問
- まとめ
スパイウェアを疑う前に知っておきたいこと
スパイウェアはマルウェアの一種です。マルウェアとは、利用者に害を与える目的で作られたソフトウェアをまとめて表す言葉で、ウイルス、トロイの木馬、ランサムウェアなども含まれます。
スパイウェアの目的はさまざまですが、閲覧履歴や入力情報などを収集するもの、不要な広告表示につながるもの、別の不正プログラムと一緒に入り込むものなどがあります。
大切なのは、症状だけで感染と決めつけないことです。まず標準のセキュリティ機能で状態を確認し、必要に応じて検査の範囲を広げていきます。
こんな症状があるときは確認してみる
次のような変化が複数重なっている場合は、念のためセキュリティチェックをしておくと安心です。
- 覚えのない広告やポップアップが頻繁に表示される
- ブラウザのホームページや検索エンジンが勝手に変わった
- インストールした覚えのないアプリがある
- パソコンを操作していないのにCPUやディスクの使用率が高い状態が続く
- ブラウザに覚えのない拡張機能が追加されている
- セキュリティ機能が無効になっている
- 不審な警告画面からソフトの購入や電話を強く促される
ただし、これらには正常な原因もあります。たとえばWindows Updateの直後はバックグラウンド処理によって一時的に負荷が高くなることがあります。ブラウザ通知を許可したサイトが広告のような通知を出しているケースも珍しくありません。
最初に行う安全な対処
重要な作業をいったん止める
不審な動作が続いている場合は、ネットバンキングやネットショッピング、重要なパスワード入力などをいったん控えます。感染が確認されたわけではありませんが、原因を確認するまで重要情報の入力を減らしておくと安全です。
不審な警告の電話番号には連絡しない
ブラウザに「ウイルスに感染しました」「今すぐ電話してください」と大きく表示されても、その表示だけでWindowsが感染を判定したとは限りません。サポート詐欺の画面である可能性があります。表示された電話番号へ連絡したり、案内された遠隔操作ソフトを入れたりしないでください。
必要ならネットワークを一時的に切る
明らかに不審な遠隔操作が起きている、勝手に大量の通信をしているなど緊急性が高い場合は、Wi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜くなどして通信を一時的に止めます。ただし通常のスキャンでは定義情報の更新などにインターネット接続が役立つため、症状に応じて判断します。
Windows 11でスパイウェアをスキャンする基本手順
Windows 11では「Windows セキュリティ」からMicrosoft Defender Antivirusの検査を実行できます。市販のセキュリティソフトを利用している場合は、その製品が主なウイルス対策機能を担当していることもあります。
- スタートボタンをクリックします。
- 「Windows セキュリティ」と入力して検索します。
- 検索結果の「Windows セキュリティ」を開きます。
- 「ウイルスと脅威の防止」を選びます。
- 画面に現在の脅威や前回のスキャン情報が表示されていないか確認します。
- まず「クイックスキャン」を実行します。
クイックスキャンは、脅威が見つかりやすい場所を中心に確認する検査です。最初の確認として使いやすく、通常はフルスキャンより短時間で終わります。
スキャン中に検出が表示された場合は、画面の案内をよく読み、推奨される処置を確認してください。見慣れない項目を自己判断で許可するのは避けます。
クイックスキャンで不安が残るときはスキャン方法を変更する
症状が続いている場合や、怪しいファイルを実行した覚えがある場合は、「スキャンのオプション」から検査範囲を広げます。
フルスキャン
フルスキャンは、パソコン内のファイルや実行中のプログラムを広い範囲で確認します。保存しているデータ量によっては長い時間がかかるため、パソコンを使わない時間帯に実行すると負担を減らせます。
- Windows セキュリティの「ウイルスと脅威の防止」を開きます。
- 「スキャンのオプション」を選びます。
- 「フルスキャン」を選択します。
- 「今すぐスキャン」を実行します。
カスタムスキャン
ダウンロードした特定のフォルダや外付けメディアなど、調べたい場所が明確な場合はカスタムスキャンが便利です。ただし、不審な場所が分からない場合はクイックまたはフルスキャンのほうが初心者には分かりやすいでしょう。
Microsoft Defender オフライン スキャン
通常のWindows起動中では見つけにくい脅威が疑われる場合に使える検査方法です。実行するとパソコンが再起動するため、先に開いているファイルを保存してください。
オフラインスキャンは最初から使うのではなく、通常の検査で不安が解消しない場合の追加手段として考えると分かりやすいです。
ショートカットキーで素早く確認する方法
設定画面を開くときは、Windowsキー + Iで「設定」を開けます。Windowsキーはキーボード左下付近にあるWindowsロゴのキーです。
設定を開いたら「プライバシーとセキュリティ」から「Windows セキュリティ」へ進むこともできます。スタートメニューの検索が苦手な場合はこちらでも構いません。
また、動作が重い原因を確認するときはCtrl + Shift + Escでタスク マネージャーを開けます。ただし、知らないプロセス名があるだけでマルウェアと判断して終了しないでください。Windowsには一般利用者には見慣れない正常なプロセスが多数あります。
スキャン前にセキュリティ更新を確認する
セキュリティソフトは、新しい脅威を判断するための情報を更新しながら動作しています。Windows セキュリティの「ウイルスと脅威の防止」では、保護の更新状況を確認できます。
また、Windows Updateも確認しておきましょう。
- Windowsキー + Iで設定を開きます。
- 「Windows Update」を選びます。
- 更新プログラムの確認を行います。
- 重要な更新がある場合は画面の指示に従います。
ただし、仕事中など再起動すると困る時間帯は、保存中のファイルがないことを確認してから更新してください。
スキャン結果はどう確認する?
Windows セキュリティでは「保護の履歴」から、検出された項目や実施された処置を確認できます。
「脅威が見つかりませんでした」と表示された場合でも、パソコンの不調がすべて解決したことを意味するわけではありません。マルウェア以外の原因を切り分ける必要があります。
反対に脅威が検出された場合は、名前だけを見て慌てず、Windows セキュリティが提示する処置を確認します。隔離とは、疑わしいファイルを通常の場所から切り離し、簡単に動作できない状態にする処置です。
再起動したあとの確認ポイント
検出した脅威の処置やオフラインスキャンでは、再起動が必要になることがあります。再起動後は次の点を確認します。
- Windows セキュリティに新しい警告が出ていないか
- 「保護の履歴」で処置が完了しているか
- 以前出ていた不審な広告や画面が再び出ないか
- ブラウザのホームページや検索設定が正常か
- 覚えのないアプリや拡張機能が残っていないか
- Windows セキュリティの保護機能が有効か
症状が消えた場合でも、重要なアカウントに不正アクセスの形跡がないか確認しておくと安心です。
ブラウザの広告が多い場合は拡張機能も確認する
広告や勝手なページ移動が主な症状の場合、原因がブラウザの拡張機能や通知設定にあるケースがあります。
ChromeやEdgeの拡張機能一覧を開き、インストールした覚えがないものがないか確認します。不要なものを削除するときも、名前だけで判断せず、自分が導入したものか、業務で必要なものかを確認してください。
また、Webサイトからの通知を誤って許可していると、Windowsの通知欄に広告のようなメッセージが届くことがあります。この場合はウイルスではなく、ブラウザの通知権限を見直すことで改善する可能性があります。
覚えのないアプリを確認する
- Windowsキー + Iで設定を開きます。
- 「アプリ」を選びます。
- インストールされているアプリの一覧を開きます。
- 最近追加されたものを中心に確認します。
知らない名前だからといって、すぐに削除するのは危険です。パソコンメーカーのドライバーやWindowsの関連部品など、正常でも見慣れない名称のソフトがあります。明らかに自分で入れた不要ソフトだと確認できるものだけを対象にします。
やってはいけない対処
検索で見つけた正体不明の駆除ソフトを次々入れる
「無料ウイルス駆除」などの言葉で検索すると、多数のソフトが見つかります。しかし、出所を確認せずインストールすると、かえって不要なソフトを増やす可能性があります。まずWindows標準機能または現在契約している信頼できるセキュリティ製品を使いましょう。
検出されたファイルを手作業で片っ端から削除する
システムファイルを誤って削除するとWindowsが正常に動かなくなる可能性があります。基本的にはセキュリティ機能の処置を利用します。
不審なプロセスを名前だけで強制終了する
タスク マネージャーにはWindowsや各種アプリに必要な処理も表示されます。見覚えがないという理由だけで終了すると、保存前のデータが失われたり機能が停止したりすることがあります。
スキャンで何も出ないのに症状が続く場合
マルウェアが見つからなかった場合は、別の原因も確認します。
- Windows Updateが処理中ではないか
- ストレージの空き容量が極端に少なくないか
- ブラウザのタブや拡張機能が増えすぎていないか
- スタートアップアプリが多すぎないか
- 特定のアプリだけで不具合が起きていないか
「重い=感染」とは限りません。症状を一つずつ切り分けるほうが、安全かつ確実に原因へ近づけます。
感染が疑われる場合のパスワード変更
実際にマルウェアが検出された、アカウントに不正ログインの形跡があるなどの場合は、脅威を除去したあとに重要なパスワードを見直します。
感染が疑われるパソコン上で急いで新しいパスワードを入力するより、安全が確認できた別の端末から変更するほうが安心です。メール、Microsoftアカウント、Googleアカウント、ネット通販など重要度の高いものから確認します。
同じパスワードを複数サービスで使い回している場合は、それぞれ異なるパスワードへ変更します。利用できるサービスでは多要素認証も有効にすると防御を強化できます。
日常でできるスパイウェア予防
- Windows Updateを放置しない
- ブラウザやアプリを最新版へ更新する
- メールやSNSの不審なリンクを安易に開かない
- 正体不明の添付ファイルを実行しない
- ソフトは公式サイトや信頼できる配布元から入手する
- Windows セキュリティを理由なく無効化しない
- ブラウザ拡張機能を増やしすぎない
- 重要なデータは定期的にバックアップする
特に「このソフトを入れるにはセキュリティ機能をオフにしてください」と要求される場合は慎重になってください。正当な理由が確認できないまま保護機能を解除するのは避けます。
スキャンを定期的に行うと何が便利になる?
Windowsの標準保護機能を有効に保ち、更新を続けておけば、毎日手作業でフルスキャンする必要は通常ありません。それでも、不審なファイルを開いてしまったときやパソコンの挙動に違和感があるときに自分でスキャン方法を知っていると、慌てず確認できます。
仕事で使うパソコンでは、会社が管理するセキュリティ製品やルールが設定されている場合があります。その場合は個人判断で設定変更や別ソフトの追加をせず、社内のIT担当者へ相談してください。
応用編:Windows セキュリティの状態を普段から確認する
問題が起きたときだけでなく、ときどきWindows セキュリティを開いて警告がないか確認しておくと、異常に早く気付きやすくなります。
「ウイルスと脅威の防止」だけでなく、ファイアウォールやアプリとブラウザー コントロールなどの項目に警告マークが出ていないかも確認できます。意味が分からない警告がある場合は、内容を読んでから対処し、むやみに機能を無効化しないことが大切です。
よくある質問
スパイウェアはWindows Defenderで見つけられますか?
Windows 11標準のMicrosoft Defender Antivirusはマルウェア対策機能を備えており、まず利用する検査手段として適しています。ただし、どのセキュリティ製品でもすべての脅威を必ず検出できるとは限りません。症状や被害が続く場合は追加確認が必要です。
クイックスキャンとフルスキャンはどちらを使えばいいですか?
最初はクイックスキャンで構いません。明確な不審症状が続く場合や、怪しいファイルを実行した可能性がある場合はフルスキャンなどへ範囲を広げます。
スキャン中もパソコンを使えますか?
使える場合が多いですが、フルスキャン中はパソコンが重く感じることがあります。重要な作業中を避け、時間に余裕があるときに実行すると安心です。
スキャンで何も見つからなければ絶対に安全ですか?
「何も検出されなかった」という結果は重要な判断材料ですが、絶対に感染していないことを保証するものではありません。症状が続く場合はブラウザ設定、アプリ、更新状況など別の原因も確認します。
市販のセキュリティソフトも同時に使ったほうが安全ですか?
複数のリアルタイム保護製品をむやみに併用すると、動作の競合や負荷につながる場合があります。すでにセキュリティ製品を導入している場合は、その製品の案内やパソコンの管理方針を確認してください。
会社のパソコンでも自分でスキャンしていいですか?
会社の端末は管理者によって設定が制御されていることがあります。標準の確認が許可されていても、ソフトの追加や設定変更は社内ルールに従ってください。判断に迷う場合はIT担当者へ連絡します。
まとめ
スパイウェアが疑われるときは、不安から正体不明の駆除ソフトを追加するのではなく、まずWindows 11のWindows セキュリティで状態を確認するのが安全です。
最初はクイックスキャンを実行し、不審な症状が続く場合はフルスキャンや必要に応じてMicrosoft Defender オフライン スキャンへ進みます。検出結果は「保護の履歴」で確認し、再起動後に症状や保護状態も見直しましょう。
スキャンで脅威が見つからない場合は、Windows Update、ブラウザ拡張機能、通知設定、常駐アプリなど別の原因も切り分けます。「パソコンがおかしい=感染」と決めつけず、安全な確認を一つずつ進めることが重要です。
普段からWindowsやブラウザを更新し、不審なリンクや正体不明のソフトを避ける習慣をつけておけば、トラブルの予防にもつながります。
